2019年4月19日金曜日

直線的時間と円環的時間

こんにちは。

YokaYokaの前田です。

最近、居場所とボードゲームに関する記事を見つけたので、このブログで紹介したいと思います。

臨床心理士が精神科デイケアで学んだ「麦茶を入れること」の思わぬ効用とは

こちらの記事は、臨床心理士である東畑開人(とうはたかいと)さんと歴者学者の與那覇潤(よはなじゅん)さんの対談を記事にしたものです。

東畑さんと言えば、最近「居るのはつらいよ~ケアとセラピーの覚書」という本を昨年に出版し、様々な所でインタビューを受けています。

僕がいつも聞いているラジオであるsession-22にもゲストで登場し、素敵な話を聞かせてくれました。その時の様子は、TBSラジオのこちらのページから聴くことができますので、興味がある人は是非聴いてみてください。

一方の與那覇さんは、この対談ではじめて知りました。
うつを体験した歴史学者が語る「平成」という記事を読むと、有名な歴史学者の方で、2015年から大学を休学するなど、ここ数年鬱状態に苦しんでいる事がわかります。


そんな2人が、「居る」事について対談したのが、この記事になります。

東畑さんと與那覇は、この対談の中で、時間を「直線的な時間」と「円環的な時間」という2種類の時間について話しています。
ひとつは円環的な時間で、春夏秋冬のように毎年同じことが繰り返され続けるイメージ。もうひとつが直線状の時間で、「成長、進歩していく」というイメージです。
東畑さんは、円環的な時間の例として、日常をあげています。日常がグルグル回るからこそ、安心して生活ができると述べています。
僕らの毎日は、グルグル回ることによってできている。今週の火曜日と先月の火曜日が同じであるからこそ、僕らは安心して日常を生きられる。でも、大学生、社会人となっていく過程で、僕らは円環の時間になじまないものの考え方を叩きこまれていくわけです。
 直線的な時間を求めるあまり、円環した時間は見過ごされてしまいがち。その止まってしまった円環的な時間を動かすには、他者の存在が重要だと述べています。
そのとき重要なことは、日常は他者がいることによって可能になるということです。映画でもそうですよね。非日常の冒険空間はたった1人の旅が可能ですが、日常のシーンには必ず誰かがいます。日常は1人では回せない。逆に言えば、誰も他者がいなくなると、そこは非日常になってしまいます。
日常を楽しむために他者という歯車が必要。その日常を楽しむ手段として、ボードゲームで遊ぶ事が紹介がされています。與那覇さんは、鬱から回復する過程でボードゲームが良かったと、この記事の中でおっしゃています。
ボードゲームが回復の上でよかったのは、「自分と他人」の境界が溶けていくところだと思うんです。僕が買ってきたゲームなら、当然僕が1番ルールに詳しい。でも、だからって僕が毎回勝ちまくったら、僕自身が全然面白くないでしょう。「ルールを知らない人」「ゲームは苦手な人」も一緒に混じって、あ、でもみんな(=他人)が楽しんでくれたんだな、となってこそ、自分の楽しさも最大になる。

任意活動団体YokaYokaが開催している「みんなのゲームクラブ」も、誰かの地域の居場所となれるようにと開催しています。

最近は、「直線的な時間」ばかりが注目され始め、あらゆるところで成長する事が促されてしまいます。この記事にある「円環的な時間」の重要性が見落とされ、どんどん影を潜めてしまっています。

しかし、この記事にあるように直線的な時間ばかりが求められると、円環的な時間は止まり、自分と他者が引き離されて、精神的にも状況的にも自分という存在のみになり、孤立してしまいます。

孤立の先は、苦しみしかないように感じます。

円環的な時間をもう一度動かすためにも、みんなのゲームクラブに来て、一緒にボードゲームやカードゲームで遊びましょう!!



次回は、4/21(日)に清水市民活動センターで開催します。詳細は、上記のチラシをご確認ください。事前の予約等は不要ですので、直接会場にお越しください。
駐車場がございますが、数に限りがございます。もし、駐車場が満車の場合はお近くの有料駐車場をご利用ください。
*清水市民活動センターの駐車場は、こちらを確認のご利用ください(100円ショップレモンの前の駐車場は、市民活動センターの駐車場ではございませんのでお間違えのないようにお願いします。)


そして、みんなのゲームクラブ大人の部も、来週の4/25(木)に開催します。こちらは、静岡健康文化交流館来・て・こで開催します。18歳以上(高校生は不可)の方でしたら、誰でも参加できます。前回から学生料金も設けました。社会人・学生(高校生は不可)等の垣根をこえて、平日の夜にみんなで楽しく遊びましょう!!

もし、不明な点がございましたら、080-3288-5570 前田まで連絡をください。

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