2020年12月30日水曜日

【開催報告】紙とペンとサイコロで冒険しようぜ

 こんにちは。

YokaYokaの前田です。

12/27(土)に、自閉スペクトラム症児(以下ASD児)を対象にした「紙とペンとサイコロで冒険しようぜ!!」を開催しました。

紙とペンとサイコロで冒険しようぜは、TRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)の略です。

実際に、ASD児を対象にTRPGを実施しているサンデープロジェクト(以下サンプロ)では、TRPGを下記のように説明しています。

TRPG(テーブルトーク・ロールプレイングゲーム)とは、複数名で集まってテーブルを囲み、参加者同士の会話のやり取り(コミュニケーション)で架空の物語を進めていく「会話型ゲーム」の総称です。

『ドラゴンクエスト』などのコンピュータのRPGのシステムや世界観はTRPGが元になっています。ただ、TRPGは基本的にコンピュータを使用しません。代わりに、紙と鉛筆、ダイス(サイコロ)、そしてルールブックを使用します。

そして、YokaYokaがTRPGを実施するに辺り、サンプロの代表を務める加藤さんには、去年から今年にかけて、講座や実践を通して、TRPGを用いた余暇支援について教えて頂きました。

当初は、今年度の4月から実施する予定で準備を進めていましたが、新型コロナウイルス感染防止の為の緊急事態宣言で開催見送り。

オンラインで行うTRPGも模索しましたが、初めてのTRPGをオンラインで行うのは難しいという決断になりました。

開催に至るまでの詳細な経緯は、下記のリンクの12月の予定に書いてあります。

そして、本番当日を迎えることになりました。

初めてのGM(ゲームマスター)を務めるに辺り、上手にできるかどうかの不安しかなかったですw

こんな、ドキドキした状態のGMをよそに、参加してくれた子ども達は、TRPGを楽しんでいました。


TRPGに」ついて説明する様子

4人中3人が、TRPG初体験という状態でスタートしたのですが、終了時には「とても、楽しかった!!」「また、やりたい」という感想をもらうことができて、本当に開催できて良かったです。

GMとして、何点か間違えてしまった点もあったので、それは次回への改善点ですね。

そして、前回の好きトーク以来(1週間ぶり)の任天堂64で、子ども達と遊びました。

64のコントローラの握り方がわからないという反応に、新鮮味を感じました。

TRPG終了後は、テレビゲーム

ちなみに。私達が今回使用したTRPGは、初心者&入門者向けに制作された「いただきダンジョン」です。

初めての人でも進めやすいようにフローチャートも用意されており、非常に遊びやすかったです。

次回の「紙とペンとサイコロで冒険しようぜ!!」は、下記の日程で実施します。

次回も、『いただきダンジョン』のルールブックを使用します。

参加してくれた子ども達が、獲得したしたお金や成長したキャラクターを、次どうしようかを非常に楽しみにしていたので!!


日 時:1/31(日) 13:30~16:30
場 所:静岡市番町市民活動センター 2F 中会議室
参加費:300円/人
対 象:小学校4年生~高校3年生までの自閉スペクトラム症児
申込み:要事前申し込み 080-3288-5570 前田まで

そして、2020年の最初の活動は、1/9(土)に開催する講座「余暇や遊びへのアクセシビリティーを考える」になります。

余暇に届きづらい層に届けている方の実践を聞いて、余暇や遊びの時間や機会の重要さを改めて考えたいと思います。

講座の詳細・申し込みはこちらから

▼関連記事▼

加藤さんを、初めて静岡にお招きし講座を開催した時の様子

加藤さんへのインタビュー

余暇や遊びへのアクセシビリティーを開催するにあたって。



任意活動団体YokaYoka(よかよか)は、「障害のある社会から、生涯楽しめる社会へ」をキーワードに、障害がある人の余暇の選択肢を増やすことを目的に活動している。主に、ボードゲームを遊ぶ事ができる「みんなのゲームクラブ」、中学生~高校生のASD児を対象とした「好きトーク」等を定期的に開催している。余暇に関する情報を発信する為に、余暇に関連した講座を企画・実施している。今年度は、連続講座「障害がある人の余暇活動について考える」を実施中である。

友だち追加

2020年12月27日日曜日

障害がある子どもの「遊びの体験」を誰が保証するのか??

 こんにちは。

YokaYokaの前田です。


皆さんは、「遊び」と聞いて、まず何を思い浮かべますか?


人によって思い浮かぶ「遊び」は様々だと思いますが、私の場合は「公園」がまず思い浮かびます。

放課後等デイサービスという事業に関わっているので、他の人に比べると公園に行く機会は多い方だと思います。

公園に行くと、子ども達と鬼ごっこで遊ぶ事が多いですね。

公園があるおかげで、多くの子ども達は遊びの体験をすることができます。

私達の団体が活動をしている静岡市のHPによると、市内の公園の数は全部で519ヶ所あるそうです。

そして、HPには公園の機能と役割として下記の4点が挙げられています。その内の1つが、子どもの遊びの機会を保証する為の場所と思われる記述があります。

公園の機能と役割

(1)すべての人のための身近で安全な憩いの場として機能します。

(2)都市住民の休息、運動、レクリエーションなどを行う場として機能します。

(3)公園内に緑を確保することで都市景観の向上、動植物の生息地を保全する役割を果たします。

(4)災害時に一時避難地としての役割を果たします。

⑵都市住民の休息、運動、レクリエーションなどを行う場として機能しますという箇所が、子ども達の遊びについて触れていると思われる箇所です。

しかし、放課後等デイサービスを利用している子どもの中には、この機能を活用できない子ども達もいます。

肢体になんらかの障害がある子どもは、遊具の設計上公園で遊ぶことは難しいです。

欧米では、UD公園という誰もが遊べる為の遊具の配置や工夫がされている公園があります。


こちらの「みーんなの公園」というHPでは、海外のUD公園の事例が数多く紹介されています。

日本国内において、UD公園はまだ少ないようですが、最近の動きとして東京都の都立砧公園では障害がある子どももない子ども一緒に遊べる遊具の設置が2020年の6月に完了したそうです。

こちらは、都議会議員の龍円さんを中心に、都議会で必要性を訴え、実現に至ったようです。

こういった動きが出てくるのは非常に良いことですし、学校以外の場でもこのようなインクルーシブな場所を作っていく必要があると思います。

砧公園に続いて、都内にとしまキッズパークという公園も秋に完成したようです。

しかし、全ての公園の遊具を直ぐに入れ替えることはできません。

こちらの都立砧公園も、調査研究に1年、設計と工事に1年の計2年の時間を要しています

その期間の子ども達の遊びの体験は、保証されないまま時間が過ぎていしまいます。


更に、そもそも公園にアクセスできない子ども達もいます。

ここからは、工夫で子ども達の遊びや余暇の時間を充実するために活動している方達を紹介します。


田中さんは、国立病院機構北海道医療センターで作業療法士として、筋ジストロフィーも脊髄性筋萎縮症の患者さん達の「できない」を、機械工学を用いて「できる」に変える支援を行っています。主に、家事・仕事・レクリエーションなど様々な作業活動の場面でその機能回復を図って、「まなぶ」「あそぶ」「はたらく」活動を獲得するためのリハビリテーションを行っています。

上記のサイトの田中さんのインタビューによると、筋ジストロフィーや脊髄性筋萎縮症の患者さん達の余暇の時間は、身体を大きく動かすスポーツ等は難しい。そこで、身近にあって遊ぶ事ができたのが、ゲームだったそうです。

治療やリハビリの時間、食事やお風呂の時間のほかは自由時間ですね。といっても当院の患者さんは、身体を大きく動かす運動は困難です。走ったり、跳んだり、ボールを投げたり蹴ったり、外でスポーツをしたりはできません。そんな彼らにとって、最も接しやすいのがゲームなんですよ。ゲームだったら、工夫次第で健康な子どもたちと同じように遊ぶことができますからね。

ゲームでは、工夫次第で健常な子ども達と一緒に遊ぶことができます。そして、ゲームの時間が、余暇の時間以上の存在であることを田中さんはインタビューの中で述べています。

彼らにとってゲームのある生活というのは、単に余暇時間という意味にとどまらないんですね。仲間と競い合ったり、協力し合ったりして、その成果を分かち合う。そういった仲間との貴重なコミュニケーションの時間となっているんで

最近では、障害がある人のゲーム活動として、パラesportsという分野もあるようです。

下記のサイトでは、様々な障害がある当事者の方が、ゲームの楽しみ方について投稿しています。

2人目は、NPO法人ホスピタルプレイ協会の代表理事を務める松平千佳さんです。

松平さんは、2006年に英国で「遊びの専門家」としてのHospital Play specialist(以下HPS)に出会いました。

HPSとは、遊びの専門家です

病院に入院している病児、虐待を受けた被虐待児などのハイリスク児に、様々な技法と工夫を用いて遊びを届けています。

そして、多くの子ども達に遊びを届ける為、HPS養成講座を全国で開催し、遊びの専門家の養成を行っています。

松平さんは、遊びは子ども達の「権利」であり、「発達」に欠かせないものであり、「命を輝かせる」ものだと著書である『遊びに生きる子ども達 ハイリスク児にもっと遊びを』の中で述べています。

実践をされている方を簡単にですが紹介させて頂きました。

このことからも、誰にとっても「遊びの体験」や「余暇の時間」が重要であることがわかります。

そこで今回紹介した田中栄一*さんと松平千佳さんをお招きし、2人から遊びやゲームを届ける為の工夫や実践を紹介して頂く講座を開催します。
*田中栄一さんは、zoomでの出演になります。

障害福祉に携わる方、保護者、eパラsports、看護士、作業療法士、余暇や遊びについて興味がある方達と、この講座を通じて障害がある人の「遊び」「余暇」について一緒に考える機会にしていけたらと思います。

講座の詳細・申し込みは↓↓↓

関連記事

第1回「ゲームとコミュニケーション」の様子

第2回「インターネットと居場所」の様子

ゲームについてまとめた記事

ゲームについてまとめた記事 part2

講座に込めた想いを綴った記事

任意活動団体YokaYoka(よかよか)は、「障害のある社会から、生涯楽しめる社会へ」をキーワードに、障害がある人の余暇の選択肢を増やすことを目的に活動している。主に、ボードゲームを遊ぶ事ができる「みんなのゲームクラブ」、中学生~高校生のASD児を対象とした「好きトーク」等を定期的に開催している。余暇に関する情報を発信する為に、余暇に関連した講座を企画・実施している。今年度は、連続講座「障害がある人の余暇活動について考える」を実施中である。

友だち追加

2020年12月25日金曜日

【開催報告】好きトーク vol.6 ~好きなことを楽しく語っちゃおう~

 こんにちは

YokaYokaの前田です。

12/19(土)の講座「インターネットと居場所」も終わり、年内の活動も残すところあと僅かとなりました。

12/20(日)に、6回目の好きトークを実施しましたので、そのレポートをしたいと思います。

好きトークとは、「上手に話すことよりも、楽しく話すこと」を目的に、自分の好きな事や興味がある事を媒介に、他者と交流する余暇活動です。

以前の好きトークの開催報告のレポートでも述べましたが、好きトークでは、自分の好きなことをクイズ形式で発表するのが流行っています。

今回は、前回の好きトーク終了時に「次は坂道グループのクイズを作ってきます」と言っていた中学生の男の子が、初めてクイズを作ってきてくれました。

彼は、開催する1週間前に「今年をクイズで締めくくりたいので、一番最後に発表できませんか?」と相談するぐらい、今回のクイズに想いを込めて作ってきてくれました。

クイズで盛り上げてくれた中学生

好きトーク終了後に、「今年最後の好きトークを、クイズで大盛り上がりに締められてよかったです。」と満足した旨をLINEで教えてくれました。

今回の好きトークは、参加する子どもが少なかったので、代表である自分も好きなアメコミについて発表しました。

アメコミについて語る代表の前田

また、休んだ子どもやスタッフの不在について、「あいつが好きなものをせっかく用意してきたのにな~」「〇〇さんや〇〇さんにも聞いてほしかったな~」という自分の好きなことを伝えられなくて残念そうにしていた子もいました。

前日の講座で関さんが、「どこに行くかよりも、誰と会うかの方が大事」と言っていたのを思いだします。私達の活動も、少しずつ誰と会うかが重要になってきた場所になってきているのかもしれません。

その後、時間に余裕があったので、スタッフが持ってきた任天堂64でゴールデンアイ 007を一緒に遊びました。

子どもと一緒に遊んだ任天堂64

フォートナイトをやっている子どもにも、私達世代の名作ゲームが受け入れられて安心しました。

そして、ゲームはやはり盛り上がりますね!!

さて、残すところ年内の活動は、1つになりました。

12/27(日)に実施するTRPGのイベント「紙とペンとサイコロで冒険しようぜ!!」です。



日 時:12/27(日) 13:30~16:30
場 所:番町市民活動センター 中会議室
参加費:300円/人
対 象:小学校4年生~高校3年生までのASD児 10名
申込み:要事前申し込み 080-3288-5570  前田まで

私達も初めてのイベントになりますので、参加してくれる子ども達が楽しんでくれるかドキドキです。

そして、2021年の1番最初の活動は、連続講座 障害がある人の余暇活動を考える 第3回「余暇や遊びへのアクセシビリティーを考える」になります。

1回「ゲームとコミュニケーション」や2回「インターネットと居場所」と、余暇に関する講座を開催してきて、「余暇」や「遊び」が「余った暇」という意味の活動ではなく、生きていくうえで重要な活動だということを改めて認識することができました。

3回目の講座では、そもそも余暇や遊びにアクセスしづらい人たちへ届ける工夫や実践を学ぶことで、より「余暇」や「遊び」への理解を深めることができると思います。

是非、私達と一緒に「余暇」や「遊び」について考えてみませんか?

講座の詳細&申し込みはこちらから

▼関連記事▼

▼関連記事▼

▼関連記事▼

YokaYokaの紹介


任意活動団体YokaYoka(よかよか)は、「障害のある社会から、生涯楽しめる社会へ」をキーワードに、障害がある人の余暇の選択肢を増やすことを目的に活動している。主に、ボードゲームを遊ぶ事ができる「みんなのゲームクラブ」、中学生~高校生のASD児を対象とした「好きトーク」等を定期的に開催している。余暇に関する情報を発信する為に、余暇に関連した講座を企画・実施している。今年度は、連続講座「障害がある人の余暇活動について考える」を実施中である。

SNSをフォローして、最新情報を受け取ろう!!

友だち追加

2020年12月23日水曜日

【開催報告】障害がある人の余暇活動を考える 第2回「インターネットと居場所」

こんにちは。

YokaYokaの前田です。

12/19(土)に、キリン福祉財団 キリン地域のちから応援事業の助成事業として、障害がある人の余暇活動を考える 第2回「インターネットと居場所」を開催しました。

全てを書く事はできませんが、簡単に講座の開催報告をしていきます。

今回の講座のゲストは、児童精神科医の関正樹さんです。

児童精神科医の関正樹さん

今回の講座では、インターネットやゲームの世界に子ども達がどのような居場所を見出しているのかを関さんに解説してもらいました。

フォートナイト、ポケットモンスターソード&シールド、マインクラフト、あつまれ動物の森等の具体的なゲームのタイトルが数多く出てくる講座となりました。

ゲームのタイトルが出てきたのには、理由があるんです。

関さんは、ゲームと言っても特徴が異なるため、種類によって適した区切りのつけ方があるのではと述べていました。

例えば、「30分でゲームを区切るのはどうでしょうか?」と問いかけ、

「マインクラフトでは、整地だけで終わりそうですね。」

「フォートナイトは、待機画面の時間も考慮にいれたら、1試合終わらないかも。」

「ポケモンでは、レベル上げだけで終わって、次のジムリーダーまでたどり着かないかも」

と、ゲームごとに30分で区切るという約束が、守れそうな現実的な約束であるかを説明してくれました。

大人がゲームのことを知らないと、ゲームの約束を決めることが難しいというのがわかります。関さんは、大人がゲームのことを知ってから、子ども主体で約束事を作っていき、守る側、守ってもらう側の相互が無理のない約束作りをとおっしゃていました。


SNSも同様で、危ないから辞めなさいでは、お題目と同じで、リテラシーが育たないまま大人になってしまう。どんな居場所があるかを知ったうえで、気を付けることを具体的に教えていくことが大事だと説明してくれました。


今回の講座を拝聴していて重要だと感じたのは、周囲の大人が子供の「好き」について好意的な受け止め方をすることにより、それをきっかけに子ども達の世界が広がっていくという部分です。


関さんが、「どこに行くかよりも、誰と会うかの方が大事」という言葉で説明していたように、自分の「好き」を好意的な受け止め方をする人がいるから、その人に話したくなるし、会いたくなる。そして、その人と「一緒に」やってみたいことができれば、更に世界が広がっていく。

講座内の『任意活動団体YokaYokaの活動紹介』でも説明させて頂きましたが、当団体が余暇の支援において重視している『「支援する/される」の関係から、「一緒に楽しむ〇〇君/さん」という関係へ』という考え方と共通している部分だと感じました。

更に、私達が活動している好きトーク*に関して、相手の好きを肯定される場は(=相手の好きを否定しない)他の子の好きを通じて世界が広がるきっかけになるのではないかと言及してくださり、非常に嬉しかったです。

*好きトークは、コミュゲ研の加藤さんが実施している「趣味トーク」を参考にした活動です。趣味トークについては、下記のリンクを参照ください。


更に、関さんは、講座終了後の雑談でこうもおっしゃていました。

「余暇活動は、自立にもつながる。凄い大事ですよ!!」

余暇を大事な活動だと言ってもらえたのは、当団体として非常に嬉しかったです。

関さんと一緒にボードゲーム

展示したゲームを見ながら、思い出を振りました

余暇を「余った暇」と捉えるのではなく、つながりが増え人生を豊かにする活動と言えると思います。自分の好きを大事にする場所と共有する相手がいることにより、居場所が増えていく。居場所が増えるにつれて、どんどん世界が広がっていく。この余暇を楽しもうとする過程が、自立につながっていく1つの要素であることが再度認識できました。

今回の講座を通じて、ゲームやSNS、動画配信サイト等のインターネットの空間が、多くの人にとって居場所になっていることを知ることができました。

そして、「好き」を「好き」のまま大事にしていくには、肯定的に受け止める場所や人との関係が必要だということ。

更に、このような経験や体験が「自立」に繋がっていくこともあるということ。

第3回講座「余暇や遊びへのアクセシビリティーを考える」

年があけた1/9(土)に開催する第3回「余暇や遊びへのアクセシビリティーを考える」では、今回の講座で重要だと感じた点である「好きなこと」や「楽しいこと」にそもそもアクセスしづらい環境にいる人達に、様々な工夫をしながら「楽しい」遊びや「好き」なゲームを届けている方をゲストにお呼びします。

作業療法士の田中栄一さん

作業療法士である田中栄一さんは、筋ジストロフィーも脊髄性筋萎縮症の患者さん達がゲームができるように、ゲームのコントローラーを改造する等の工夫をしています。

田中さんは、彼ら/彼女らのゲームの取り組みは、単なる余暇の時間にとどまらない仲間との貴重なコミュニケーションの場になっていると同時に健常な子ども達と同じステージに立つことができる大事な機会だと述べています。

松平千佳さん
そして、もう1人のゲストである松平千佳さんが代表理事を務めるNPO法人ホスピタルプレイ協会は、「遊びの力」に注目し、病児や障害児に遊びを届ける活動、医療に関わる子供達が、その経験を肯定的に受け止められるように「遊び」を用いて安心感を作り出す活動等を行っています。松平さんは、「遊び」には、子ども達の発達に欠かせない要素であり、子ども自身の権利でもあると述べています。

第3回「余暇や遊びへのアクセシビリティーを考える」での2人の実践を通じて、今回の講座で欠かせないとわかった「遊び」や「余暇」について一層理解を深める機会にしていきましょう!!

講座の詳細・申し込みはこちらから


▼関連記事▼
講座開催に向けて、ゲームの記事をまとめたブログ

講座開催に向けて、ゲームの記事をまとめたブログ Part2

講座開催に向けて、想いを綴った記事

第1回「ゲームとコミュニケーション」の開催報告

連続講座を開催する時に書いた想い

団体紹介



任意活動団体YokaYoka(よかよか)は、「障害のある社会から、生涯楽しめる社会へ」をキーワードに、障害がある人の余暇の選択肢を増やすことを目的に活動している。主に、ボードゲームを遊ぶ事ができる「みんなのゲームクラブ」、中学生~高校生のASD児を対象とした「好きトーク」等を定期的に開催している。余暇に関する情報を発信する為に、余暇に関連した講座を企画・実施している。今年度は、連続講座「障害がある人の余暇活動について考える」を実施中である。

 
友だち追加

2020年12月15日火曜日

居場所としてのゲーム、つながりとしてのゲーム

 こんにちは。

YokaYokaの前田です。

12/19(土)「インターネットと居場所」の講座まで、あと数日となりました。

今回のこちらの記事では、大好評だったゲームの記事のまとめ第2弾を実施致します。

今回は、当事者の方の記事を中心に見ていきましょう。

1 生きづらさを感じている方のひとつの逃げ場所になるのでは(山崎梓さん #NPO広報)

SNSが普及してリアル社会で強いつながりを求められる若年世代にとって、ゲームのような、別社会との接点があることは良いことだなと思っています。
実社会になじめなかったり、生きづらさを感じている方のひとつの逃げ場所になるのではとも感じています。

 認定NPO法人育て上げネットの山崎梓さんのnoteの記事。

自身の体験とゲームについて書いています。

育て上げネットは、若者支援を行う団体で、支援の一環として、ゲームを用いています。

ゲームが夢中になって取り組むものと同時に、下記のブログからも人と人をつなげる可能性が示唆されています。

そして居場所にもなりうる可能性も示唆されています。


2 ゲームの前では、年齢も体力も関係ない(小幡和輝 ゲームのオンライン家庭教師『ゲムトレ』代表)


自身の不登校の経験時に、ゲームに救われたという小幡さん

不登校だった小幡さんが、フリースクールに行くきっかけになったのは、一緒にゲームで遊んでいる従兄弟が通い始めたからで、そこのフリースクールでもゲームを通して仲よくなったと記事の中で述べています。

更に、下記のようにも述べています。

ゲームの前では年齢差も体力差も関係ないんです。だからこそ、年代も性別も問わず、いろんな人とつながることができるんです。

 

ゲームの世界では、世代等の様々な垣根を越えて、多様な形式があることがわかります。

3 「ゲーム」を通じてぼくたちは「障害」や「ふつう」の境界線をぼかして、新しい社会をつくれる可能性がある(早川公さん 文化人類学者)

次は、ゲームのつながりかたを見てみましょう。

障害がある人のesportについて発信しているサイトeparaの文化人類学者の早川公さんの記事です。

まず、文化人類学を学ぶことについて、下記のように述べています。

「相手のことを知ることでやさしくなれる、文化人類学は“結構いい仕事“なんだよ」

早川さんによれば、文化人類学とは遠く離れた土地で、他者の目から見た意味を見る事で、自分の見方を問いただすことができると言います。

あえて遠く離れた土地で他者の意味の網の目に触れることで、自分が嵌まっていた意味の網の目を分かりなおす、そうして人間を理解して「やさしい世界」づくりに寄与できるんじゃないか、というのが文化人類学の魅力なんじゃないかと思います。

そして、「ふつう」の見方について、疑問を投げかけます。私達多数派の社会から見た、多数派中心の枠を変えていく必要を訴えます。

そして、ゲームと障害の可能性について下記のように述べています。 

「ゲーム」を通じてぼくたちは「障害」や「ふつう」の境界線をぼかして、新しい社会をつくれる可能性があるとぼくは思います。いわば、現実の社会をつくりかえていくために、ゲームがその「あいだ」となるんじゃないか、ePARAでの取組みはそんなことを感じさせてくれるのです。

この境界線をあいまいにするというのは、非常に面白い視点だと感じます。

そして、当団体が主催した9/12(土)「ゲームとコミュニケーション」の講座にお招きした歴史学者の與那覇潤さんも、ボードゲームには他者との境界線をあいまいにすると下記の記事で述べています。

ボードゲームが回復の上でよかったのは、「自分と他人」の境界が溶けていくところだと思うんです。僕が買ってきたゲームなら、当然僕が1番ルールに詳しい。でも、だからって僕が毎回勝ちまくったら、僕自身が全然面白くないでしょう。「ルールを知らない人」「ゲームは苦手な人」も一緒に混じって、あ、でもみんな(=他人)が楽しんでくれたんだな、となってこそ、自分の楽しさも最大になる。

デジタルとアナログの違いはあれど、ゲームは、様々な境界線の輪郭をあいまいにし、ゆるやかに交わり、居心地のよい居場所を作ってくれます。

4 僕は、ゲームに救われた(田中栄一さん 作業療法士)

最後に、1/9(土)「余暇や遊びへのアクセシビリティーを考える」のゲストである田中さんのインタビューを紹介します。

田中さんは、国立病院機構北海道医療センターで作業療法士として、筋ジストロフィーも脊髄性筋萎縮症の患者さん達の「できない」を、機械工学を用いて「できる」に変える支援を行っています。主に、家事・仕事・レクリエーションなど様々な作業活動の場面でその機能回復を図って、「まなぶ」「あそぶ」「はたらく」活動を獲得するためのリハビリテーションを行っています。その中でも、ゲームアクセシビリティーという「多くの人がゲームをプレイしやすい工夫」を、患者さん達と一緒に「ゲームやろうぜ!プロジェクト」というHPを立ち上げ発信しています。

 

だからこそ彼らはよく言うんです。「僕はゲームに救われた」って。リアルな学校の体育の授業なんかだと、どんなに頑張っても身体が健康な子には敵わない。そもそも友達と競い合おうにも、その機会すらありませんよね。でも、ゲームの世界だったら、友達と同じ土俵で勝負することができる。競い合ってたとえ負けたとしても、ゲームだったら頑張れば勝てる可能性がある。どういう努力をすれば勝てるかもわかる。だから努力のし甲斐があるんだ。だから僕はゲームに救われたんだと。そうか、そういう視点があるんだと私はハッとしましたね。彼らと話してると、本当に学ぶことが多いです。

先ほども、ゲームが境界線をあいまいにする可能性を示唆しましたが、田中さんのインタビューでも同じように述べられています。

ゲームという世界だからこそ可能な繋がり方がある。

私達は、ゲーム=単なる余暇の過ごし方 という捉え方では十分ではないのかもしれません。

ゲームによるつながりは、様々な形で助けになっていることがわかります。

ゲームが持つ可能性を広めていくためにも、今後も更なる情報発信をしていきたいと思います。

5 講座の申し込み

現在、任意活動団体YokaYokaでは、障害がある人の余暇活動を考えるという連続講座を開催しています。

もし、この記事を通してゲームの居場所とつながり、ゲームと障害の関係に興味をもった方がいらっしゃれば、下記の講座に参加してみてはいかがでしょうか?

申し込み締切間近 (12/18 13:00まで)

児童精神科医の関正樹さんによるゲームも含むインターネットの世界に、どのような居場所があるのか案内してもらいます。


第3回 「余暇や遊びへのアクセシビリティを考える」申し込み受付中
作業療法士の田中栄一さんと、NPO法人ホスピタルプレイ協会の代表理事の松平千佳さんの2人の余暇や遊びを届ける工夫と実践をお聞きします。



任意活動団体YokaYoka(よかよか)は、「障害のある社会から、生涯楽しめる社会へ」をキーワードに、障害がある人の余暇の選択肢を増やすことを目的に活動している。主に、ボードゲームを遊ぶ事ができる「みんなのゲームクラブ」、中学生~高校生のASD児を対象とした「好きトーク」等を定期的に開催している。余暇に関する情報を発信する為に、余暇に関連した講座を企画・実施している。今年度は、連続講座「障害がある人の余暇活動について考える」を実施中である。

よろしければ、YokaYokaのSNSをチェックしてみてください。

 
 

友だち追加

2020年12月13日日曜日

1/9(土) 連続講座「余暇や遊びへのアクセシビリティを考える」

 1 連続講座「障害がある人の余暇活動について考える」について

YokaYokaでは、「連続講座 障害がある人の余暇活動を考える」を開催しています。この連続講座では、計3回に渡り、障害がある人の余暇活動について、ゲストの方の取り組みや体験を交え、理解を深める機会にしていきます。

連続講座についての説明↓↓↓


第1回「ゲームとコミュニケーション」 與那覇潤さん(歴史学者)×加藤浩平さん(金子総合研究所所長)

第2回「インターネットと居場所」 ゲスト:関正樹さん(児童精神科医)
申し込み締め切り 12/18(金) 13:00まで(コンビニ・ATM支払いは、12/17で締め切り)

2 第3回「余暇や遊びへのアクセシビリティーを考える」について

3回目の講座は、「余暇や遊びへのアクセシビリティーを考える」をテーマにし、2人の講師をお呼びします。




まずは、「アクセシビリティー」という言葉について説明します。

厚生労働省のHPによると、「アクセシビリティー」とは、年齢や身体障害の有無に関係なく誰でも簡単にたどり着け、利用できることと記載されています。IT関連で使われることが多い用語ですが、最近では障害福祉でも使用されることが多くなってきました。今回の講座で扱う「アクセシビリティー」は、余暇や遊びへのアクセシビリティーにフォーカスした内容になります。

3 ゲストの紹介


1人目のゲストは、作業療法士の田中栄一さんです。*田中さんは、Zoomでの参加になります。


田中さんは、国立病院機構北海道医療センターで作業療法士として、筋ジストロフィーも脊髄性筋萎縮症の患者さん達の「できない」を、機械工学を用いて「できる」に変える支援を行っています。主に、家事・仕事・レクリエーションなど様々な作業活動の場面でその機能回復を図って、「まなぶ」「あそぶ」「はたらく」活動を獲得するためのリハビリテーションを行っています。その中でも、ゲームアクセシビリティーという「多くの人がゲームをプレイしやすい工夫」を、患者さん達と一緒に「ゲームやろうぜ!プロジェクト」というHPを立ち上げ発信しています。田中さんは、彼ら/彼女らのゲームの取り組みは、単なる余暇の時間にとどまらない仲間との貴重なコミュニケーションの場になっていると同時に健常な子ども達と同じステージに立つことができる大事な機会だと述べています。

2人目のゲストは、静岡県立大学短期大学部の准教授で、NPO法人ホスピタル・プレイ協会 理事長を務める松平千佳さんです。



ホスピタル・プレイ協会は、「遊びの力」に注目し、病児や障害児に遊びを届ける活動、医療に関わる子供達が、その経験を肯定的に受け止められるように「遊び」を用いて安心感を作り出す活動等を行っています。松平さんは、「遊び」には、子ども達の発達に欠かせない要素であり、子ども自身の権利でもあると述べています。HPS養成講座を開催し、医療に関わる人達にホスピタル・プレイの理念や実践を伝え、子ども達の遊びの重要性を伝えています。

講師の2人に共通しているのは、余暇や遊びに届かない障害児や病児に届けられるように様々な工夫をしている点、彼ら/彼女らにとって遊びやゲームが余暇の時間以上の価値があることを述べている点です。講座当日は、それぞれの取り組みや工夫を紹介してもらい、余暇や遊びについて改めて一緒に考える機会にしましょう!!

4 講座当日のスケジュール


14:00~14:15  はじめに/YokaYokaの紹介(15分)

14:15~15:00  田中栄一さんの講演(45分)

15:00~15:30  zoomで八雲病院の方達と交流(30分)
ぷよぷよのオンライン対戦を予定しています。対戦希望の方は、申し込みの希望欄にチェックを入れてください。

15:30~15:45  休憩(15分)

15:45~16:30  松平千佳さんの講演(45分)

16:30~17:00  質疑応答(30分)

5 チケットの種類


申し込みチケットは2種類あります。

①会場参加
会場に来て直接お話を聞きたい方。

②録画視聴
当日の予定が合わないが、講座の内容に興味がある方。
講座に興味はあるが、遠方等の様々な理由で当日の参加が難しい方。

録画の公開は、講座終了後に、当団体のYou tubeのチャンネルにアップし、会場参加方も含めた参加者全員に、動画のURLをメールにて送信いたします。公開期間は、公開初日から2週間を予定しています。その期間中、何度動画を視聴して頂いてもOKです。ご自分の都合の良い形式にてご参加ください。

6 申し込み


申し込みはこちらから→URL: http://ptix.at/QJPJlx


7 講師プロフィール



田中 栄一(たなか えいいち)さん
1993年3月、弘前大学医療技術短期大学部作業療法学科卒業。
1993年4月、北海道勤労者医療協会に入職。
1998年4月、国立療養所八雲病院(現:国立病院機構八雲病院)に就職。2020年9月から国立病院機構北海道医療センターに所属。作業療法士として、小児神経筋疾患に対して支援機器を用いた活動サポートを行っている。日本作業療法士協会福祉用具対策委員。日本リハビリテーション工学協会員

関連HP
ゲームやろうぜproject

講座当日にぷよぷよで交流するケンタローさんのHP



松平千佳(まつだいらちか)さん
静岡県立大学短期大学部 准教授、HPS(Hospital Play Specialist)養成事業責任者
NPO法人ホスピタル・プレイ協会 理事長
2011年1月、英国Hospital Play Staff Education Trustより、HPSに認定。
ホスピタル・プレイの方法論及びHPS養成に関する研究、プレイセラピーに関する研究、ソーシャルワークに関する研究、家族の福祉に関する研究を行うとともに、援助実践を行う。
著書に、金木犀舎「遊びに生きる子どもたち ハイリスク児にもっと遊びを」、日本総研「プレイ・プレパレーション導入・実践の手引き」等がある。

【県短わくわくオンラインツアー】02変身マスクを作ろう! 社会福祉専攻 松平千佳先生(静岡県立大学短期大学部)


NPO法人ホスピタルプレイ協会のHP


任意活動団体YokaYokaについて









任意活動団体YokaYoka(よかよか)は、「障害のある社会から、生涯楽しめる社会へ」をキーワードに、障害がある人の余暇の選択肢を増やすことを目的に活動している。主に、ボードゲームを遊ぶ事ができる「みんなのゲームクラブ」、中学生~高校生のASD児を対象とした「好きトーク」等を定期的に開催している。余暇に関する情報を発信する為に、余暇に関連した講座を企画・実施している。今年度は、連続講座「障害がある人の余暇活動について考える」を実施中である。


団体HP
団体のブログ


2020年12月9日水曜日

ゲーム関連の記事をまとめてみたら、人とつながる為のツールとして適しているのが分かった件

 こんにちは。

YokaYokaの前田です。

12/19(土)「インターネットと居場所」の講座の開催に向け、準備を進めています。

今日は、講座に関連してゲームに関する記事やブログをまとめてみようと思います。

1 ゲーム関連の記事の紹介


まずは、講座のゲストでもある関さん関連の記事を紹介します。

 

 

傷ついた子どもが何とかこのような居場所にたどり着き、そこで、仲良くできる仲間や、少し憧れる同世代でない他者を見つけ、彼らとのコミュニケーションや時には人生の相談を通じて回復し、少しずつリアルの世界にも居場所を見つけていきます。

関さんの子どもや保護者にも優しいまなざしは、安心感を与えてくれます。

ゲームとの関わり方に不安を感じる方もいらっしゃると思いますが、12/19(土)の講座は、そんな気持ちを安心して持ち寄れる講座にしたいと考えています。

過去にこのような想いも当ブログで書かせて頂きました。


次は、同じく児童精神科医の吉川さんの記事を紹介します。


一つでも二つでもデジタルの世界だけではない本気で楽しめる趣味があること、できればその趣味を一緒に楽しむ仲間がいることは、ゲームやネットへの依存の防波堤になるかもしれません。「役にたつこと」だけを子どもにやらせすぎないというのは、依存の予防のために大事なことです。その意味では子どもに「使えるリテラシー」を身につけるための大人の努力が、かえって逆効果になることも実は少し心配しています。

吉川さんも関さんと同じく、趣味の時間でできる仲間の重要性を述べていますね。役に立たないけど、人生を豊かにしてくれる関りがあることを、余暇の支援をしている団体として伝えていきたいです。

12/28に、下記の書籍が販売されるようです。こちらも楽しみですね。

ゲーム・ネットの世界から離れられない子どもたち 子どものこころの発達を知るシリーズ10

近年では、e-sportが注目されるようになり、学校の部活動で導入されるところも増えてきました。一般社団法人日本essport連合によると、esportとは、「エレクトロニック・スポーツ」の略で、広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称と書かれています。

中には、プロのゲーマーになる人もいます。

アメリカ在住のプロゲーマーであるジャスティン・ウォンさんは、ゲームについて下記のように話しています。

ジャスティンがゲームに熱中したのは,ゲームが面白かったからだけではない。

 「学校のみんなは放課後集まってゲームをしたり,ゲームセンターに行ったりしていたので,そこになじむにはゲームがうまくなって,みんなに尊敬されるような存在になればいいと思ったんです。
 今は人と自然に話せますし,会話が弾んだりもしますが,子供の頃は人と接するのが本当に苦手だったんですよ。人と会っても,どうやって話題をつなげばいいか分からない。英語がちゃんと話せず,どもってばかりで,友達や学校の人とのコミュニケーションが難しかったんです。
 でも,ゲームの話はいくらでもできました。ゲーム以外の話題,例えばスポーツとか本とか,別の趣味になると全然ダメになってしまうのに,ゲームの話だけはできたんです」

   

 

ジャスティンさんにとって、ゲームは仲間とコミュニケーションを図るツールだったことがわかります。

そして、近年ではパラesportという障害がある人のゲームも注目されています。


ゲームの世界を通じて、自分の障害を忘れられる場所であるということが、猪狩さんから語られていますね。

ゲームのなかでは、自分が障害を持っているということを忘れられる時間なんじゃないかと思うんです。誰でも輝くことができる場所だなと思います。見る方も楽しいと思いますし、やる方もやりがいを感じると思います。eスポーツがさらに広まっていくきっかけになるといいなと思います。


そして、ゲームに救われたという方もいらしゃいます。

「僕はゲームに救われた」作業療法士 田中栄一さんインタビュー

「僕はゲームに救われた」って。リアルな学校の体育の授業なんかだと、どんなに頑張っても身体が健康な子には敵わない。そもそも友達と競い合おうにも、その機会すらありませんよね。でも、ゲームの世界だったら、友達と同じ土俵で勝負することができる。競い合ってたとえ負けたとしても、ゲームだったら頑張れば勝てる可能性がある。どういう努力をすれば勝てるかもわかる。だから努力のし甲斐があるんだ。だから僕はゲームに救われたんだと。そうか、そういう視点があるんだと私はハッとしましたね。彼らと話してると、本当に学ぶことが多いです

 デジタルの世界が、彼ら/彼女らの世界を広げてくれているのがわかります。

余暇だけど、余暇だけにとどまらないというのは、余暇支援をしている団体としては、非常に心強いです。


中には、若者支援にゲームを使用している方もいます。

若者支援を行うNPO法人育て上げネットの代表理事の工藤啓さんは、下記のように述べています。

自分だけでゲームに没頭する楽しさとはまた別に、ひととつながる、つながり続けるためのツールとして、ゲームというのは支援団体でも存在感を増していくはずです。このとき、ウチの子どもたちが職場見学的に観に来ました。彼らは、ただゲームをするのではなく、後ろで地域を越えたいひとたちが、ひとつの空間に集まるため、裏側で仕事をしているひとがいるんだ、ということを理解したようです。この仕事やりたいとまで言ってました

つながる方法として、ゲームを使用しているNPOも増えてきそうですね。

さて、ここまで様々な記事を読んできて、ゲームが誰かとつながる為の大事な機会であり、機械であることがわかりました。

居場所と仲間は、ゲームに関わらず生きていくうえで大事な要素ですね。

2 講座の申し込み

さて、12/19(土)の講座の締め切りが迫っています。

まだ、申し込みができますので、ブログを読んで興味が出た方は是非ご参加ください。



講座の申し込みはこちらから→http://ptix.at/mjxo3H

そして、先ほど記事を引用させて頂いた作業療法士の田中さんと繋いで、下記の講座を実施致します。NPO法人ホスピタルプレイ協会の代表理事を務める松平さんもお呼びし、障害児や病児に遊びを届ける為の工夫をお聞きします。

余暇の過ごし方が暇を消費するだけの時間ではなく、豊かに生きる為の大事な要素であることを、この講座を通して考える機会になればと思います。



講座の申し込みはこちらから→  http://ptix.at/QJPJlx

ここまで読んで頂きありがとうございます。

もしよろしければ、任意活動団体YokaYokaのtwitterをフォローしてくだされば助かります。

任意活動団体YokaYoka のHP:https://yoka-4ka.jimdofree.com/

twitter:@wanda_snoezelen






2020年12月1日火曜日

12月の予定

こんにちは。

YokaYokaの前田です。

12月の活動予定をお知らせします!!

12月は、講座の開催、好きトーク、ゆる水とイベントが多いです。

そして、いよいよあのプロジェクトが動き出します。

1 紙とペンとサイコロで冒険しようぜ






日時:12/27(日)  13:30~16:30
場所:静岡市番町市民活動センター 中会議室
参加費:300円/人
対象:小学校4年生~高校3年生までの自閉症スペクトラム児
申込み:080-3288-5570  前田まで


紙とペンとサイコロで冒険しようぜ!!は、TRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)を楽しむイベントです。

TRPGとは、進行役のゲームマスター(GM)とキャラクター(ゲームの主役)を操作するプレイヤー達に分かれ、紙や鉛筆・サイコロなどを使い、参加者同士のコミュニケーションで物語を進めていく会話型ゲームです。時には意見がぶつかりあいながらも合意点を探り、お互いに協力し合いながら、皆でファンタジー冒険ものの要素をもつ物語を作っていきます。

去年から、着々と準備を進めてきました。

まずは、2019年の夏にTRPGの講座を開催しました。
 

 

そして、メンバーと一緒にTRPGをプレイし、どのように進めて行くのか話し合ったりしました。

 


しかし、新型コロナウイルスの影響もあり、「紙とペンとサイコロで冒険しようぜ」は、開催直前で断念せざる負えない状況になりました。


その間、オンラインを利用してのTRPGの実施も考えましたが、まだ初心者の私達では、顔が見えない状況でTRPGを実施するのは難しいという結論になりました。


そんな、紆余曲折を経て、いよいよ活動を再開する事にしました。

みなさん、よろしくお願いします。


2 好きトーク!!~好きなことを楽しく語っちゃおう~



日 時:12/20(日) 14:00~16:00
場 所:静岡市番町市民活動センター 中会議室
参加費:200円/人
対 象:中学1年生~高校3年生までの自閉症スペクトラム児
申込み:080-3288-5570 前田まで

好きトークは、自分の好きものやことを表現しながら、仲間と楽しく交流するイベントです。「上手に話すことより、楽しく話すこと」を大事にしており、表現する楽しさを感じられる場所を目指しています。

前回の好きトークの様子はこちらから↓↓↓
 

3 連続講座 障害がある人の余暇活動を考える 

   第2回「インターネットと居場所」





日 時:12/19(土) 13:30~16:30
場 所:静岡市番町市民活動センター 大会議室
参加費:1500円(会場参加)
    1500円(録画視聴)
講 師:関正樹さん(児童精神科医)
主 催:任意活動団体YokaYoka 
問合せ:080-3288-5570

講座の詳細・申し込み→ http://ptix.at/mjxo3H


4 ゆる水~ゆるくつながる水曜日~


ゆる水とは、「ゆるく繋がる水曜日」を略した単語になります。静岡2.0と任意活動団体YokaYokaの2団体によるコラボイベントです。「大人にも、職場や学校、家以外にも居場所があるって大切だよね」という思いから企画しました。誰でも気軽に交流が楽しめる、息抜きができる居場所にしたいと思っています。

今回は、YokaYokaで普段実施している「好きトーク」をやります。

大人だって、自分の好きなことを楽しく語りたいですよね。
最近はまっていることを語りたいけど、相手の反応を気にして喋れない!
誰かとシェアしたい!!
その想いを好きトークに参加して、語ってみませんか?

日 時:12/23(水) 19:00~21:00
場 所:静岡市番町市民活動センター 小会議室
参加費:100円
持ち物:好きなことを語りたいときに見せたいグッズ
申込み:080-3288-5570  前田まで または、下記の静岡2.0のFacebookのイベントページの参加ボタンを押してください。
主 催:静岡2.0×任意活動団体YokaYoka



静岡2.0
twitter:@Shizuoka2_0

もう少しお待ちください!! (2020.12.3更新)



任意活動団体YokaYoka(よかよか)は、「障害のある社会から、生涯楽しめる社会へ」をキーワードに、障害がある人の余暇の選択肢を増やすことを目的に活動している。主に、ボードゲームを遊ぶ事ができる「みんなのゲームクラブ」、中学生~高校生のASD児を対象とした「好きトーク」等を定期的に開催している。余暇に関する情報を発信する為に、余暇に関連した講座を企画・実施している。今年度は、連続講座「障害がある人の余暇活動について考える」を実施中である。

よろしければお気軽に、イイネ&フォロー&登録をお願いします。

 
友だち追加