2020年11月29日日曜日

ゲームやネットへの心配・不安な気持ちを安心して持ち寄れる講座にしたい!!

こんにちは。

YokaYokaの前田です。

只今、12/19(土)の講座の開催に向け、少しずつ準備をしています。


今回のは、2回目の講座に、「インターネットと居場所」を選んだ理由や想い等を綴り、皆さんと共有させて頂ければと思います。


まず、今回の講座の主催である『任意活動団体YokaYoka』についてご存じない方もいらっしゃると思うので、そこから説明させて頂きます。既に知っている方は、読み飛ばしてください。

1 任意活動団体YokaYokaとは?

任意活動団体YokaYokaは、障害がある人の余暇の選択肢を増やし、自分たちの活動が選択肢の1つになれたらという希望を込めて活動しています。「障害がある社会から、生涯楽しめる社会へ」というキャッチフレーズからわかるように、障害の社会モデルをベースにしており、社会あり方を変えていくことに重きを置いています。当団体の活動をまとめると以下の2つになります。

①余暇の活動の場を定期的に開催する →余暇の選択肢を増やす

②講座などを通じて、余暇の情報を広く発信する→講座の開催

①余暇の活動の場を定期的に開催するに該当する活動は、「スヌーズレンであそぼう」「みんなのゲームクラブ」「好きトーク!!~好きなことを楽しく語っちゃおう~」等があげられます。残念ながら、「スヌーズレン」や「みんなのゲームクラブ」は、様々な事情により現在活動をお休みさせて頂いています。5月から開催予定だった自閉症スペクトラム児を対象に、TRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)を用いた余暇活動「紙とペンとサイコロで冒険しようぜ!!」は、12月から再開することが決まりました。「紙とペンとサイコロで冒険しようぜ!!」の詳細は、こちらのブログにてお知らせいたします。




②講座などを通じて、余暇の情報を広く発信するに該当する活動は、余暇に関連した講座の開催等があげられます。2019年は、現金子総合研究所所長であり、東京学芸大学非常勤講師である加藤浩平さんをお呼びし、「TRPGで楽しくコミュニケーション」を開催し、TRPGや趣味トークという余暇支援の実践を紹介して頂きました。

お気づきかもしれませんが、私達の活動の「好きトーク」や「紙とペンとサイコロで冒険しようぜ!!」は、加藤さんの実践を参考にさせて頂いています。

そして、2020年は、連続講座と称し、余暇に関連する講座を3回実施します。

第1回は、「ゲームとコミュニケーション」で、9/12(土)に実施致しました。




ゲストは、先ほども登場した加藤浩平さんと歴史学者の與那覇潤さんの2人です。加藤さんと與那覇さんをこのテーマでゲストに選んだ理由は、2人に共通する考え方があると感じたからです。加藤さんは研究者としてTRPGを用いた余暇支援の実践の中で、TRPGのシステムを柔らかい枠組み称し、この枠組みの中で子供たちの活動が豊かになっていくとおっしゃていました。與那覇さんはご自身がうつ病になった時の様子をまとめた著書の中で、ボードゲームの体験を通して、能力は共有するものだということを述べていました。2人の考え方は、個人の能力をのばすことに注目するのではなく、社会の環境を変えていくという考え方に共感を持ち、講師をお願いしました。

TRPGやボードゲーム等のアナログゲームは、2人以上の複数人で、一緒の世界観やルールを共有して遊びます。様々な人が一緒に共有するためには、ある程度の柔軟性が必要になります。その柔軟性を、加藤さんはTRPGのシステムを柔らかい枠組みと表現し、與那覇さんはボードゲームのハウスルール(既存のルールを自分たちで楽しむために変更した独自のルール)を挙げていました

講座の様子は、こちらから読むことができます。





月間住職10月号にも、「ゲームとコミュニケーション」を取り上げて頂きました。講座の様子が少しですが掲載されています。

そして、2回目にあたる今回の講座のテーマは、「インターネットと居場所」です。

2 ゲームやネットは、共通言語??

私は、普段は放課後等デイサービスの支援員をしています。放課後等デイサービスでは、小学校1年生~高校3年生までの子ども達が放課後や休日に利用しています。子ども達の会話に混ざると、話題の中心は、ゲームとアニメがほとんどです。最近では、超ヒット作品『鬼滅の刃』が共通言語のようで、鬼滅の推しキャラについて話したり、キャラクターの絵を書いて過ごしたり、テーマソングである紅蓮華をピアノで練習する子もいます。

次に多いのが、ゲームの話題です。任天堂switchで遊べるソフトを中心に色々話していますが、特にマインクラフトやフォートナイトで遊んでいる子どもが多くいるように感じます。子ども達は、オンライン環境でゲームをプレイすることに抵抗がなく、ネット環境を利用して友達とフォートナイトをプレイしたり、マインクラフトでお互いの世界を行き来しているようです。この辺りのゲームの理解は、私が未プレイなのもあり、間違っているかもしれません。ちなみに、私はネットでゲームをすることに抵抗があり、オンラインで遊ぶドラゴンクエストXはプレイできませんでした。ゲームセンターの対戦も苦手で、乱入されないゲームを選んでいました。これはネットへの抵抗感というより、知らない人と一緒にゲームをすることに恐怖を感じていたのでしょう。ゲームセンターでソウルキャリバーをやっていたのが、懐かしい・・・

次に多いのが、You tuberの話題です。有名You tuberの話題は勿論ですが、ゲームの実況動画を見る子どもいます。時折、おすすめの実況動画を一緒に見ることがあります。マインクラフトであればこの人がおすすめというように、ゲームによって実況動画も色々異なるようです。私達が自分の好きな音楽を勧めるような感じで、子ども達は動画の情報交換をしています。

他に、ボーカロイド好きな子どもがいて、おすすめなボカロ曲を教えてくれることもあります。最近は、CDを買わずに、you tubeで音楽を聞く子どもたちが多いようです。

この事からわかるように、子ども達の多くは何らかの形で日々インターネットと接しています。実際に、ゲームやインターネットが子供達の共通の話題になっており、居場所にもなっています。そして、ゲームが上手なことが一つのステータスになっているようにも感じます。

3 果たして、ゲームは悪いものなのか?



しかし、私達大人からすると、「ゲームばかりやっていて大丈夫だろうか?」「ゲームの影響で生活リズムが崩れないか」「動画の真似をして、言葉遣いが悪くなる」等の心配してしまいます。

2019年には、WHOで『ゲーム障害』が正式に認定され、香川県ではゲームやネットの使い過ぎは悪影響を与えるとして、ゲーム規制条例が施行されました。

私は今年で36歳になる1985年生まれで、小学生の時にスーパーファミコンが発売されました。3つ年が離れた兄とお年玉から半額ずつだし、購入しました。その当時は、ドラゴンクエストⅤやクロノトリガー等のRPGにはまりよく遊んでいました。友達の家では、ボンバーマンや桃鉄で遊ぶのが好きでした。その兄から、ドラゴンクエストのレベルアップの役割を任じられ、使命感に燃えながらひたすたらはぐれメタルを倒していました。今となっては、あれは利用されていたのでしょう。大人になる過程でゲームで遊んだ経験がある私でさえ、実況動画を見ていて心配になる瞬間はあります。

不安に感じる原因の1つは、私が昨今のゲーム事情に詳しくないことが挙げられます。

私のゲーム歴は、XBOX360というゲーム機のラストレムナントと地球防衛軍3というソフトで止まっており、今の子ども達のようにインターネットを駆使して友達とゲームを楽しんだ経験がありません。

自分で経験してないもの・知らないものは、不安になりますよね?

4 不安を持ち寄って、一緒に考えましょう!!


今回のゲストである関正樹さんは、大人は子ども達の良きアドバイザーになりましょうと提案しています。

まずは、ゲームに興味を持って近づき、可能であれば一緒にプレイすること。

そして、上手なゲームの付き合い方を一緒に考えるプロセスが重要だと述べています。

関さんは、上記のようにゲームを肯定する一方で、大人の心配な声や不安な声を否定するようなことはないと言います。

子どもが「できそうなこと」と保護者が「できそうなこと」のバランスや子どもが楽しんでいる居場所としての世界の意味を、子どもだけでなく保護者と一緒に考えることも児童精神科医の大きな役割の一つです。
12/19(土)の「インターネットと居場所」は、参加する人が安心して不安や心配な気持ちを持ち寄れるようにしたいです。

そして、関さんの話を聞きながら、ゲームやネットの付き合い方を一緒に考える機会にしましょう!!

また、ゲームだからこそ得られる利点もあります。

私が感じる利点は、ゲームの世界であれば安心して失敗できることです。
ゲームで失敗した時は本当に悔しい気持ちになりますが、次はこうしてみようという挑戦しやすい環境でもあると言えるのではないでしょうか?

また、ゲームに救われたという人達もいます。

2021年の1/9(土)に開催予定の第3回『余暇や遊びへのアクセシビリティを考える』のゲストの1人である田中栄一さんは、作業療法士として筋ジストロフィーや脊髄性筋萎縮症の患者さん達の「できない」を、機械工学を用いて「できる」に変える支援を行っています。支援に関わる中で、ゲームが好きな子ども達が、力が弱くなり既存のプラットフォームではプレイできない環境を変えるため、誰もゲームが楽しめるような工夫をゲームアクセシビリティーとして発信しています。彼らは、ゲームよって、障害がない人たちと同じステージにあがることができるそうです。

こちらの講座について、近日中に申し込みを開始する予定ですので、もうしばらくお待ち下さい。(2020.12/9申し込み開始)

5 講座の申し込み(2週間限定公開の録画視聴あり)




講座の詳細。申込みはこちらから http://ptix.at/mjxo3H


プロフィール
関正樹(せき まさき)さん
1977年生まれ。児童精神科医。 福井医科大学医学部卒業後、岐阜大学医学部付属病院、土岐市立総合病院 精神科を経て、現在は大湫病院に勤務。ご本人もゲームが好きで、小学生時代に「ドラクエⅢ」のブームを経験している。好きなゲームは、スプラトゥーン2とコンパス。高岡健さんとの共著『発達障害をめぐる世界の話をしよう~よくある99の質問と9つのコラム』(批評社)、分担執筆に『おそいはやいひくいたかい 107号 特集 ゲームのやりすぎを心配するとき』(ジャパンマシニスト社)などがある。


任意活動団体YokaYoka(よかよか)は、「障害のある社会から、生涯楽しめる社会へ」をキーワードに、障害がある人の余暇の選択肢を増やすことを目的に活動している。主に、ボードゲームを遊ぶ事ができる「みんなのゲームクラブ」、中学生~高校生のASD児を対象とした「好きトーク」等を定期的に開催している。余暇に関する情報を発信する為に、余暇に関連した講座を企画・実施している。今年度は、連続講座「障害がある人の余暇活動にいて考える」を実施中。

SNSでも情報を発信しています。

 
友だち追加

0 件のコメント:

コメントを投稿