2019年5月18日土曜日

「辞めないための指導」が「自立」から遠ざかっていく??

こんにちは。

YokaYokaの前田です。

【バズワードカフェvol.4「自立」って何だろう?】の開催まで、1週間をきりました。

今回は、私がバズワードに「自立」を選んだ理由を書きたいと思います。

どのように伝えようかと思っていたのですが、私の想いを上手に言語化してくれている記事を見つけたので、その記事を紹介する事により、私が「自立」を選んだのかを上手に伝えていく事ができると感じたので、記事の内容を紹介していきます。

「自立」に向けた教育のジレンマ 伊藤秀樹 / 教育社会学

この記事の中で、筆者である伊藤さんは、教育の中だけで、これから社会に出ていく子供たちの「自立」を支える事は限界があると述べています。

伊藤さんが関わってきたY校は、不登校や発達障害、学業不振、対人関係の苦手さ等から、Y校を選んできた生徒が多いのが特徴で、あらかじめ教師には不信感を抱いている事が多いそうです。その為、入学時には「喫煙」「飲酒」「家出」等の問題行動、それから、教師に対して「無視」や「反抗」、「無断欠席」等が度々見られるそうです。

これら生徒は、在学中、それぞれの進路先や就職先を目指して頑張れる環境を作るために、日常的に生徒の反応や表情に目を配り、生徒が登校しないときには家庭訪問をしたり一緒に学校で宿泊したりするなど、生徒たちが登校を継続できるよう、「密着型」の教師‐生徒関係を築いていき、まずは登校し続けられる事を目指します。


しかし、卒業後に早期に離職・退学をしてしまう生徒が一定数おり、Y校では、これら早期の離職・中退を、「自立」から遠ざかる課題だと感じ、Y校では「辞めないための指導」を始めます。

この「辞めないための指導」は、卒業生たちが新しい環境で自分を支えてくれる他者がいなくても、自らの力で離職・中退の危機を乗り切っていけるように導入された指導であり、具体的には下記のような事が行われています。

(1)苦労して何かを成し遂げる経験を部活動などで増やし、その経験が自信になるよう振り返っていく指導
(2)卒業後3年間は我慢して仕事や学校を続けるよう念を押し、就業・就学継続を絶対視させる指導
(3)就職先・進学先での困難を自らの努力やふるまいの改善で克服していくことを求める指導
そうした取り組みを続けてく中で、筆者である伊藤さんが関わっていた期間の卒業後3年以内の離職・中退の率は、5割から2割に減ったそうです。

しかし、これらの「辞めないための指導」が、残りの2割の生徒たちを「自立」から遠ざけてしまっている事が、新たな課題としてあがったそうです。

記事の内容を全部紹介すると長くなってしまうので、気になる方は、自立」に向けた教育のジレンマ 伊藤秀樹 / 教育社会学で、記事の内容を確認して頂きたいと思います。学校関係者は勿論ですが、あらゆる方に関連する内容だと思うので、是非読んで頂きたいと思います。

そして、この記事の筆者である伊藤さんは、若者の「自立」についてこのように述べています。

若者たちの「自立」に向けた困難は、「教育で始末をつける」現状から「社会で始末をつける」方向へとシフトしていくべきだと考えます。

私も、「自立」に対して、同じように感じています。

自立を個人に求めると、必ず限界がある。。


それは、記事の中にも述べられているように


「我慢する力が足りない」「教師との約束を破った」「自らの言動の問題で離職・中退に至った」と自分を責める結果に繋がりかねないからです。

今回のバズワードカフェのゲストである杉山元太さんは、自立とは周囲とのつながりを作る事だと述べています。

これは、正に記事で述べられている社会で自立を考えることを意味しています。


ご自身に脳性マヒがあり、社会との間に常に何かしらの障がいを感じながら生きてきた元太さんの話を参考に、当日は「自立」について改めて皆で考えてみたいと思います。



バズワードカフェの予約は、下記の申し込みフォームで受け付けております。

必要事項を記入し、送信ボタンを押して頂ければ、予約完了です。

多くの方の参加を心待ちにしております。 


0 件のコメント:

コメントを投稿