こんにちは。
YokaYokaの前田です。
9/12(土)に、連座講座 障害がある人の余暇活動を考える 第1回「ゲームとコミュニケーション」を開催致しました。こちらの講座は、キリン福祉財団・地域の力応援事業の助成を受けて実施しております。
今回の講座の開催にあたり、テーマに沿ったゲストを2名お呼びしました。
1人目のゲストは、歴史学者の與那覇潤(よなはじゅん)さんです。
與那覇さんは、ご自身の病気の回復の途上でボードゲームが役に立ったという事を、著書である『知性は死なない 平成の鬱をこえて』、斎藤環さんとの共著である『心を病んだらいけないの?-うつ病社会の処方箋』の中で述べています。講座当日も「ボードゲームと私」というタイトルで、與那覇さんのボードゲームの出会い、與那覇さんの思うボードゲームの3条件、おススメゲーム等のゲームに関連したお話をして頂きました。
中でも、<「能力」ってそもそも何だろう?>という問いは、講座を拝聴していた私に強く響きました。私達が日常的に「力」という単語を使用する「コミュ力」、「雑談力」という言葉について、改めて考えてみる必要性を感じました。
ちなみに、私が考えるゲームの良い条件と與那覇さんの考える良い条件と共通する部分がありました。
2人目のゲストは、金子総合研究所所長であり、東京学芸大学の非常勤講師を務め、ASDの青少年達の余暇支援としてTRPGや趣味トーク等の活動を行っているサンプロの代表を務める加藤浩平(かとうこうへい)さんです。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、加藤さんは、去年当団体が主催した講座「TRPGで楽しくコミュニケーション」、「TRPGで楽しくコミュニケーション 実践編」でも、講師を務めて頂きました。
今回も、前回同様にTRPGを用いた余暇支援の実践例を中心にお話して頂きました。他には、自分の趣味について話す「趣味トーク」についてもお話して頂きました。
講演の中でもおっしゃていた「上手に話すことよりも、楽しく話すこと」という言葉に象徴されるように、楽しみながらコミュニケーションをする事を活動の中心に据えており、加藤さんが紹介してくれたASDの青少年たちのエピソードはどれも面白かったです。TRPGや趣味トークという同じ活動をしているのに、参加者の数だけエピソードがあるというのは非常に重要な視点だと感じました。
15分の休憩のあと、多人数TRPG『みんなでダンジョン』を体験しました。講師を務めてくださった與那覇さんもプレイヤーとして参加しています。
GM(ゲームマスター)である加藤さんの進行で、各自がダイスに運命を託しながら、キャラクター作成を行いました。ダイスが振られる度に、どこかのグループで笑いが起こるという和やかな雰囲気で冒険は進みました。
今回は、「ブラックドラゴン団」という少し悪者めいた名前の一団が、竜の秘宝をとるためにダンジョンに冒険に出かけました。ダンジョンに仕掛けられた罠や待ち受けるモンスター達を、参加者全員で力を合わせてクリアをしていく様子は、外から拝見していて非常に面白かったです。
そして、最後に與那覇潤さんと加藤浩平さんの対談になります。TRPGをはじめて体験した與那覇さんの感想から対談はスタートしました。対談の話題の中心は、「コミュニケーション」「能力」「能力」「自己」「余暇」「コロナ」「不要不急」でした。
特に、個人的に興味深かったのは、加藤さんがTRPGを実践する中で、子ども達の突拍子もない思いつきにいつもびっくりさせられるという話に対して、與那覇さんがデジタルゲームだと、その思い付きは「バグ」として処理されてしまうということでした。これは、環境によって「バグ」として処理されるのか、面白いと受け入れられるのかが変わる事を示唆されていると思います。加藤さんも、対談の中で「環境」の重要性を述べていました。この一連の流れは、與那覇さんが講演の中でおっしゃていた<「能力」ってそもそも何だろう?>という問いに繋がると思います。
以上が、9/12(土)に実施した講座「ゲームとコミュニケーション」の様子になります。
今回の講座を通して、多くの気づきを得ることがあり、多くの方とこれらを共有出来て良かったです。
そして、講座の同時配信で申し込んでくださった参加者の皆様方には、当日の機材トラブルにより大変ご迷惑をおかけしました。後日録画した講座の動画を視聴する形式を了解をしてくださった皆様方には、感謝の気持ちでいっぱいです!!先日、今回の講座の動画を視聴できるURLをメールにてお知らせさせて頂きましたので、確認して頂けたらと思います。
また、機材のトラブルにより講座の開始時刻が大幅に遅れてしまい、終了時刻が遅れてしまい、会場にお越しくださった参加者の方にも迷惑をおかけしました。
次回、同じような事態が発生しないように、講座の運営の仕方について考えていきたいと思います。
次回の講座は、第2回「インターネットと居場所」になります。
岐阜県の大湫病院で児童精神科医と務める関正樹さんをお呼びし、今度はデジタルのゲームについて考えていきたいと思います。昨今では、ゲーム障害という言葉により、ゲームが悪いものというイメージが一層強化されているように思います。果たして、ゲームはそこまで悪いものなのでしょうか?この講座では、関さんから、子ども達はゲームを含めたインターネットの世界に、どのような居場所を作っているのかをお話して頂こうと思います。
講座の詳細が決まりましたら、こちらのブログを含む当団体のSNSでもお知らせさせて頂きます。
YokaYokaの活動ですと、9月27日(日)に「好きトーク」を実施致します。
「好きトーク」は、加藤さんが講座でも紹介してくださった趣味トークを参考に実施しています。対象は、中学1年生~高校3年生までのASDの方になります。まだ、2名程参加の枠が空いておりますので、興味がある方は、
こちらから詳細をご確認ください。
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