キリン福祉財団・地域のちから応援事業の助成事業である「連続講座 障害がある人の余暇活動を考える」の1回目「ゲームとコミュニ―ション」の申し込みが始まりました。
連続講座の詳細は、下記からご覧いただけます。
【告知】連座講座 障害がある人の余暇活動を考える 開催!!
タイトルで気づいた方もいらっしゃると思いますが、連続講座という名の通り、余暇に関連した講座を3回実施します。連続講座ですが、3回連続で参加しなければならないという縛りがあるわけではございませんので、各自お好きな講座にご参加ください。
各講座毎に、テーマに沿ったゲストの方をお呼びします。
ゲストの方と一緒に、この連続講座を通して、余暇に関連するテーマを一緒に掘り下げていきたいと思います。詳しくは、上のリンクからご覧ください。
コロナ禍に、余暇に関する講座を開く理由についても、下記にまとめてあります。
「連続講座 障害がある人の余暇活動について考える」に込めた想い
1回目は、「ゲームとコミュニケーション」をテーマに素敵なゲストをお呼びし、余暇について考えていきたいと思います。
1人目は、テーブルトークロールプレイングゲーム(TRPG)や趣味トーク等の余暇支援をASDの児童青年に実施しているサンデープロジェクトの代表でもあり、東京学芸大学研究員でもあり、こころ・心理を専門とする出版社で編集者を務めている加藤浩平さんです。
2人目のゲストは、歴者学者の與那覇潤さんです。
與那覇さんは、ご自身の著書である『知性は死なない 平成の鬱をこえて』、斎藤環さんとの共著である『心を病んだらいけないの?鬱病社会の処方箋』の中で、ボードゲームがご自身の躁うつ病の回復の途上に役だったと紹介しています。
「知性は死なない 平成の鬱をこえて」の中で、日常の会話がままならない程の能力が低下したとおっしゃています。更に、「能力」について、『能力を個人ではなく、その場にいる人びとの全体が共有しているものだと考えて、「個人単位で見た場合の能力差があっても、みんなが面白く楽しめるように、この場を運営すること」こそが、本当の意味でやりがいのある「ゲーム」ではないか。』と言及しています。様々な媒体の中でも、同様にご自身のうつの時のボードゲームが回復の役に立ったことを述べています。
社会的なコミュニケーションが苦手だと言われているASDの方を対象にTRPGを実践している加藤さんと、うつにより日常会話が不自由になるほど能力が一時的に低下し、その回復の途上にボードゲームが役だったという與那覇さん。
加藤さんは、TRPGのルールやシステムを"柔らかい枠組み"とし、安心安全の中でASDの子供達が楽しみながら様々な経験をする大切さをインタビューの中でも述べています。與那覇さんは「能力」を個人に宿るものではなく、その場にいる人が共有しているものだとし、例え差があったとしても皆で楽しめるように運営していく大切さを述べています。どちらも、形は違えど、空間や場所を共有して楽しむゲームという点が共通しています。この講座で、加藤さんと與那覇さんの取り組みや体験の話を交え、ゲームとコミュニケーションの関係について改めて考えていきたいと思います。
【日時】
9/12(土) 14:30~18:00(開場13:30~)
【予備日】
9/26(土) 13:30~16:30(オンライン形式のみの開催)
*台風などの荒天時、又は新型コロナウイルスの影響により9/12(土)の開催が難しいと判断した場合は、9/26(土)に延期します。その場合は、オンラインのみの開催となります。
【参加費】
1500円(会場参加)
1000円(オンライン参加) 開催数日前に、You tubeのURLを送ります。
*オンライン参加の方は、当日プログラムの「みんなでダンジョンRPG」体験時は、観戦となります。あらかじめご了承ください。
【定員】
会場参加35名
オンライン参加20名
【持ち物】
鉛筆1本 消しゴム 六面ダイス2個(お持ちであれば)
*みんなでダンジョンRPGの時に使用いたします。当日お持ちでない方は、お貸しいたします。
「障害のある社会から、生涯楽しめる社会へ」をキーワードに、障害がある人の余暇の選択肢を増やすことを目的に活動している。主に、ボードゲームを楽しむことができる「みんなのゲームクラブ」、余暇に関連した情報を発信する為に年に数回講座を企画・実施している。今年度は、「連続講座 障害がある人の余暇活動にいて考える」を実施予定。
【問合せ】
080-3288-5570 前田まで
【ゲスト紹介】
加藤 浩平(かとう こうへい)さん 1975年生。早稲田大学教育学部卒業後、(株)金子書房で心理学や教育学の雑誌・書籍の編集に携わる。雑誌取材をきっかけに余暇支援ボランティアとして自閉スペクトラム症(ASD)のある子どもや若者とかかわるようになり、その後、編集者を続けながら大学院へ進学。筑波大学大学院(博士前期課程)、東京学芸大学連合大学院(博士後期課程)を経て、東京学芸大学研究員。博士(教育学)。現在も研究者と編集者の二足の草鞋で、発達障害の世界に関わっている。
専門は、ASDのある児童青年のコミュニケーション支援・余暇活動支援。著書(いずれも共著)に、『自閉スペクトラムの発達科学』(新曜社、2018年)『発達障害のある子の社会性とコミュニケーションの支援』(金子書房、2016年)など。
好きなゲームは、小学生の頃から遊んでいる『ダンジョンズ&ドラゴンズ』と、中高生時代にはまった『クトゥルフの呼び声』(いずれもTRPG)
與那覇 潤(よなは じゅん)さん 1979年生。東京大学教養学部卒。同大学院博士課程を修了の後、2007年から地方公立大学で7年間、日本近代史の教鞭を執る。双極性障害に伴う重度のうつのため、休職を経て離職。以降は歴史学の知見のみならず、病気の体験者としての観点からも幅広い評論活動を行っている。療養中にボードゲームの魅力を知り、いかに回復へとつながったかについての考察を、『知性は死なない』(文藝春秋、2018年)、『心を病んだらいけないの?』(斎藤環との共著。新潮選書、2020年)で展開した。初めて購入した作品は「カルカソンヌ」で、現在のお気に入りは重量級が「トワイライト・ストラグル」、中量級が「ドラゴンイヤー」、軽量級が「ハイ・ソサエティ」など。
【用語解説】
テーブルトークロールプレイングゲーム(TRPG)とは、進行役のゲームマスター(GM)とキャラクター(ゲームの主役)を操作するプレイヤー達に分かれ、紙や鉛筆・サイコロなどを使い、参加者同士のコミュニケーションで物語を進めていく会話型ゲームです。時には意見がぶつかりあいながらも合意点を探り、お互いに協力し合いながら、皆でファンタジー冒険ものの要素をもつ物語を作っていきます。
子どもたちの自発性や興味を大事にした余暇活動、またゲームを通したコミュニケーション力の向上として注目が集まっています。
ボードゲームとは、電源を使わずに遊ぶゲームの総称です。他に、「アナログゲーム」「ドイツゲーム」等、様々な呼び方があります。なじみのあるボードゲームといえば、トランプやUNO、人生ゲーム等があげられます。世界に目を向けると、毎年数百と新作が発売され、なじみがないだけで様々なボードゲームがあります。昨今では、テレビや雑誌でもボードゲームが取り上げられる機会が増え、注目が集まっています。
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